【居酒屋店員との体験談】30歳美人お姉さんのと真面目な僕の微妙な関係〈前編〉

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自宅の最寄り駅近くにある行きつけの居酒屋の店員さんとの話です。

その居酒屋はチェーン店とかではなくて、地元の人相手のこじんまりとした店で、常連客はカウンターに座って顔見知りの客同士や、店のスタッフと会話を楽しみつつ酒を飲む、そんなアットホームな雰囲気の店だったので俺は大好きだった。

主に店を切り盛りしているのは50代のマスターと店員の明美ちゃん。

明美ちゃんは30歳ぐらいで、俺よりも3・4歳年上かなって感じの女の人で、はっきり言って美形。

体が細くって抱きしめたら折れちゃうような、そんな女の人だった。



店での明美ちゃんは馴れ馴れしくならない程度に誰とでも上手く話をあわせるし、

美人だけど冷たいって感じは全然無かったから当然みんなの人気者だった。

多分店にくる客の何割かは明美ちゃん目当てだったんじゃないかな。

周りの客がみんな「明美ちゃん」って呼んでいたから、俺もいつのまにか明美ちゃんって呼んでいたけど、実際はもろに年上のお姉さんって感じで、俺自身について言えば明美ちゃんは好きというよりは、憧れの存在で、付き合いたいとかそういう次元で考えられる女の人ではなかった。

明美ちゃんをはじめマスターや他のお客さんと気の置けない話をするのが楽しくて、当時彼女もいなかった俺は、週に1・2回はその店に通っていた。

ある冬の月曜日、仕事帰りに俺がいつものように店に顔を出すと、その日は一日雨だったせいか、既に客はほとんど無く、カウンターではマスターの釣り仲間のおじさんと、常連の夫婦だけだった。

妙にしっぽりとした雰囲気に、たまにはこういうのもいいなーなんて考えていると、明美ちゃんが「お疲れ様っ」と言いながらおしぼりとお通しを持ってきてくれる。

こういう店の場合、よく来る客は大抵ボトルを入れているし、その酒を店員さんにも勧めて、一緒に飲みながらっていうスタイルが多いから、俺も明美ちゃんに、

「明美ちゃんも飲んでよ。ボトルでもいいし、他に好きなものでもいいし」と言うと、普段はあまりウイスキーを飲まない明美ちゃんが、「今日は飲んじゃおーっと」と言って、俺のボトルのウイスキーをロックで飲み始めた。

「あれ、ウイスキー飲むって珍しくない?」と尋ねると、

「まあねーww」と言いながらも明美ちゃんは理由を答えてくれない。

まぁそれでもそれ以外は特に変わったとこも無くて、いつものようにほろ酔い加減になりながら、他愛の無い話をしているうちに時間も経ち、俺もそろそろ帰ろうかなーってときにマスターが、

「今日はもうお客さんも来ないだろうから明美ちゃんも上がっていいよ。なんだったらタロちゃん(俺)にもう1件付き合ってもらいなよ」

と意味不明の言葉を投げかけた。

明美ちゃんは「もうマスター、やだー」とか照れたような言い方をしたけど、店の方はその言葉で、もう上がることにしたらしく「じゃあお先に失礼しまーす」と言うと店の奥の更衣室に消えていった。

俺がマスターの発言の意味がわからず戸惑っていると、マスターは俺の傍に来て、

「タロちゃんさ、今日時間あったら明美に付き合ってやってくれない?ちょっとあったみたいでさ」

とさらに意味深なことを耳打ちするように囁いた。

「ちょっとあったって・・・何が?」

俺がマスターの言葉を反芻しているところに明美ちゃんが戻ってくる。

さっきまでの服装に白いコートを羽織って靴をブーツに履き替えただけだけど、まとめていた髪を下ろしたせいで、明美ちゃんはものすごく色っぽく変身していた。

「あれ、待っててくれたのー?」明美ちゃんが明るく俺に声を掛ける。

今はマスターの釣り仲間のおじさんしか店にいないからいい様なものの、明美ちゃんファンの常連さんが聞いたら思いっきり頭に血が昇りそうなセリフ。

「いや、なんかマスターが・・」

「やだ、もうマスター、やめて下さいよーw」

明美ちゃんは屈託無く笑ってるけど、俺にはさっぱり訳がわからない。

「まあ今日はタロちゃんに付き合ってもらって飲んでおいでよ。タロちゃん悪いけど頼むよ」

少しすまなそうに言うマスターに頼まれるまでも無く、俺としては明美ちゃんと飲みに行くのは全然OK、というかむしろ願ったり叶ったりなんだけど、相変わらず事情は全くわからない。

俺が状況をよく理解できないまま明美ちゃんに「じゃあ行く?」と尋ねると明美ちゃんも、

「よくわからない話でごめんね」と言いながらも、特に否定するような感じでもないので、そのまま俺たちは店を出て、とりあえず駅前の飲み屋街方面へ向かって歩き出した。

駅の近くで適当な居酒屋に入ると当たり前のことながら明美ちゃんと差し飲みになる。

店ではさんざん顔を合わせているとはいえ、外で2人で飲むのは初めてなのでいやでも緊張が高まる。

それに何といっても店員と客いう立場を離れれば明美ちゃんはただの美人な女性だし、傍目には 俺達は随分と不釣合いなカップルと思われてるかもしれない・・・。

そんなことを考え勝手にへこみ気味になっていると、明美ちゃんはそんなことを気にする素振りもなく、手際よくビールと軽いつまみを注文すると、「明日も仕事なのにごめんね。」とまた謝った。

「いや仕事はどうでもいいんだけど、今日はどうしたの?マスターもなんか変なこと言ってたし・・」

俺が率直に尋ねると、明美ちゃんは困ったような表情で「まぁ、ちょっとね」と言葉を濁した後、

「あー、でも無理につき合わせておいてそれは無いよね」と言うと少しづつ事の顛末を話し始めてくれた。

話の内容は薄々感じていたことではあったけど、やっぱり彼氏との別れ話だった。

明美ちゃんはこのとき30歳になったところで、2つ年下の彼とはもう5年の付き合いとのことだった。

今まではケンカをしながらも仲良くやってきたんだけれど、いつまで経っても定職につかない彼氏に、明美ちゃんがいい加減キレかけていたところに、彼氏の浮気&借金発覚という典型的な駄目パターンで、一度はやり直したもののやっぱり元には戻ることが出来ず、結局少し前に別れてしまったとのことだった。

「昨日は一人で部屋にいて寂しいなーって思って、急に情けなくなってきて、それでマスターに電話して、愚痴聞いてもらってたらワンワン泣いちゃってさ・・・マスター超困ってたよーw」

そういいながらも寂しそうに、「私も30になって焦りがあったのかなぁ・・・」とか、

「私、言い方がキツイからなぁ・・・」とかいつになく弱気な言葉を吐く明美ちゃんを見て、俺は気の利いた慰めも言えずに何でこんな綺麗な人がこんな苦労をするんだろう?

とかトンチンカンなことばかりずっと考えていた。。。明美ちゃんが気を取り直したように俺に言う。

「だからマスターも今日は飲んでこいって言ったんだと思うよ。タロちゃんには迷惑かけちゃったけどね」

「いや、俺は別に迷惑でもなんでもないけど、マスターもなんでそんな大役が俺なんすかね?」

素朴に疑問をぶつける俺に対して、明美ちゃんはフフフーと笑うと、

「多分マスター、タロちゃんのこと信頼してるんだよ。それに私だってそうじゃなきゃ、一緒に飲みにはいかないし~」と言った。

「あー要するに俺は安パイだってことなんだ」

明美ちゃんが少し笑ったのに安心して、俺が少し拗ねたような言い方をすると、

「そーじゃないってwほんとに信頼してるの。安パイとは違うんだよ。飲み屋さんやってると、お客さんの人柄ってよーくわかるんだよ。飲んでる時ってほんとその人の素が出るから。タロちゃんは酔っ払っててもいい酔い方だから安心なの。この人は根が悪くないなーってのが分かるから」

何となく釈然としなかったけど、明美ちゃんは「分かってくれた?」と言うと、もう一度フフフと笑った。

美人は泣きそうな顔も綺麗だけど、やっぱり笑った顔は何倍もいいと思った。

その後は俺の昔の彼女の話しや仕事の話とかいつものとりとめの無い話をして時間が過ぎていった。

明美ちゃんも少しは気が晴れたのか笑顔が増えたし、俺も明美ちゃんと2人で飲んでることの、違和感がだんだんと無くなっていき、楽しい時間を過ごすことが出来た。

やがて時間が深くなり、テーブルの上の食べ物もあらかた片付いたところで俺たちは店を出ることにした。

明美ちゃんは自分が払うといって聞かなかったけど、俺は今日のところは俺が払うといって押しとどめた。

俺が「明美ちゃんが元気になったらS(明美ちゃんが働いている店の名前)で奢ってもらうからいいよ」って言うと、

「えー。私タロちゃんに借りが出来ちゃうよー」と言いつつも明美ちゃんは納得したみたいで、

「じゃあご馳走になりまーす」と言った後、「ありがとう」と小声で言った。

なんかものすごく照れくさかった。店を出ると雨は上がっていたけど、その分気温はかなり下がっていた。

「うー、さみー」 「寒いねー、心がー」 酔ってるのか明美ちゃんが自虐的なギャグをかます。

でもそんな風に言ってくれる方が、逆に俺も安心した。

少しでも明美ちゃんの気晴らしになったのかと思うと素直にそれが嬉しかった。2人で駅に向かって歩く。

俺はハーフコートのポケットに手を突っ込み、明美ちゃんはしきりと両手に息を吹きかけている。

明美ちゃんの家は駅の反対側。

いつもは駅前の駐輪場に自転車を止めてるっていってたけど、今日は雨だったしどうしたんだろうと思い「明美ちゃんはどうやって帰るの?」と俺が尋ねるのと同時に、何の前触れも無く明美ちゃんの手がスルリと俺のハーフコートのポケットに滑り込んできた。

「うわっ」思わずうわずった声を上げた俺を、明美ちゃんがいたずらっぽい笑みを浮かべて見つめている。

「びっくりしたー?」 そういいつつも明美ちゃんはポケットから手を抜かない。

自然と明美ちゃんの右手と俺の左手がポケットの中で握り合う形になる。

「あったかーい」 無邪気な明美ちゃんの声。

「何すんの急にー」俺はそういうのが精一杯だった。

異常に胸がドキドキして呼吸の仕方が分からなくなるような気がした。

明美ちゃんの指が驚くほど細い。

結局俺たちは変だけど、そのまま変則的に手をつないだまま、駅まで歩いていき、駅の反対口に抜けると、そこでようやく立ち止まった。

「・・・あのー・・・明美ちゃん」「ん?」今日初めての男女的な微妙な感じが訪れる。

ただ俺にはどうしてもこのまま明美ちゃんとどうにかなる様に持っていくことが出来なかった。

チキンというのもあるし、気持ちが落ちているところにつけ込むのが嫌だっていうのもあったし、要するにそういうのを全てひっくるめて、俺は経験値が低かったんだと思う。

そんな俺の気配を察したのか、明美ちゃんはようやく俺のポケットから手を離すと、おもむろに俺の方に体を向けた。

「タロちゃん・・・」「うん」明美ちゃんが話しかけてくる。

「タロちゃん・・・、タロちゃん、明日も仕事だよね?」

「うん、そりゃ。明日火曜日だし・・・」

「休んじゃえ!」

「えっ、それは無理だって。課長に殺されるって!」

「ハハハ、嘘、嘘。びっくりした?」

「びっくりするよー。何だよ明美ちゃん」

「・・・」

「・・・タロちゃんさー」

「うん?」

「今日楽しかったから、これで家に帰ったらまた寂しいなーって」

「・・・」

「・・・うち・・・来ない?」

「!!!!!!!」

大体こんな感じの会話だったと思う。

ただなんにせよ、緊張状態が極限だったからもしかしたらだいぶ違ってるかもしれない。

とにかく誰もが認める美人の明美ちゃんが、俺のことを誘っている。

しかもこんな時間に誘うってことは間違いなく泊まりになるし、泊まるってことは当然・・・。

「・・・だめ?」

「いや、駄目ってことはないけど、本当にいいの?」

「もー、そういうことは何度も言わせないの。行こっ」

そう言うと明美ちゃんは俺の手を取り、タクシー乗り場に向かい、数分後俺たち2人は車内の人になると、タクシーは10分足らずで、3階建てくらいの小さなマンションの駐車場に着き、さらにその数分後には俺はいい匂いのする、明美ちゃんの部屋の居間で何ともいえない居心地の悪さを感じながら腰を下ろしていた。

【居酒屋店員との体験談】30歳美人お姉さんのと真面目な僕の微妙な関係〈後編〉へ続く

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